びしょの日記 (vipshota’s diary)

これはショタコン的視点からの雑多な日記帳です。まじめな記事が5割、ふまじめな記事が5割でできています。将来黒歴史になる予定です。

ペンギン・ハイウェイの感想1

おおいにネタバレがあるので、まだ見ていない人でネタバレをみたくない人は回れ右をして帰ること。

penguin-highway.com

ペンギン・ハイウェイはサイエンスアニメである

ペンギン・ハイウェイの本来の分類は、おそらくSF、すなわちサイエンスフィクションだろう。 だが、僕はあえてフィクションを取り外したいと考える。

サイエンスとは何か。 Wikipediaには次の3つの定義が書かれている。

  • (広義)体系化された知識や経験の総称であり、自然科学、人文科学、社会科学の総称。
  • (狭義)科学的方法に基づく学術的な知識、学問。
  • (最狭義)自然科学。

ペンギン・ハイウェイは、このうち狭義と最狭義に当てはまるアニメだった。

この世界は、宇宙の理の中で動いている。 たとえば、光速を超えて情報を伝達することはできないし、過去に戻ることはできない。 これらの大原則に立ちながら、自然界の現象をよく説明し、様々な観測結果を満たすように、この宇宙はどういう形なのか、どのようにして形成されたかを考えることは、自然科学に他ならない。 アオヤマ君やハマモトさんが足を踏み入れ、おそらくはアオヤマ君のお父さんが仕事にしているのはまさにそれである。

このアニメでは、現職の科学者から見てもとても正当で厳密な科学的な手続きを踏んでいる、と思う。 観測した結果から仮説を立て、検証するためにまた観測する。 仮説、観測、検証の繰り返しは、科学の基本そのものだ。 さらに、再現可能性についてもよく検討されている。 お姉さんがペンギンを出す条件をアオヤマ君が探るのがまさにそれである。

また、観察の記録の取り方がとても良かった。 小学四年生男子が書けるレヴェルをはるかに超えていたのが多少気になったが、 文章と絵を両方使い分けながら、頭の中で論点を整理しつつ書き留める能力は、一流の研究者にも勝るとも劣らない素晴らしいものだった。

エウレカ」についての表現もとても良かった。 実際の科学の世界は、頭の良い先人たちが苦労に苦労を重ねて生み出した成果が先行研究の広大な海として存在しており、 新しい発見がポンポン得られるほど安易ではない。 だが、自分が新たに観測したことをよくかみ砕いた上で、記憶し、様々な種類の経験と体験の結果、思いつく新たな発見というのは「エウレカ」という美しい言葉にふさわしい体験である。

研究の秘匿義務についても、非常に良く表現されていた。 研究者は、最終的には研究で得た新たな発見を公表するわけだが、その詳細な過程は通常は公開されない。 通常、新たな発見に辿り着くまでに往々にして紆余曲折があるわけで、その過程にこそ新発見の本質があったりする。

先に発表した人が発見者であるという前提は科学の世界においても成り立ち、そのため共同研究者内で研究の中途では外部に対して秘匿する約束を交わす。 だが、常に秘匿がうまくいく訳ではない。 約束を交わしても、極めて重要な発見の場合は共同研究者の一人が誰かに漏らしたり、状況証拠などから情報が漏れることは多々ある。 その辺も含めてたいへん良く表現されていた。

おっぱいの問題について

アオヤマ君が「おっぱい」と発言した回数をカウントするのを忘れてしまったが、それはもう頻繁に「おっぱい」が出てきた。 世の中には、「おっぱい」が過剰に強調されているアニメが氾濫しており、多くの場合その「おっぱい」に見とれるのは主人公の役割でもある。 その例に違わず、アオヤマ君も「おっぱい」に見とれる少年なのであった。

しかし、ここで大きな問題が発生する。 それは、主人公が精通しているかどうか、という問題である。

アオヤマ君は小学四年生、先日調査した少年の平均的な精通(初めての射精)の年齢によると、小学四年生はほとんど精通していない。 つまり、アオヤマ君も精通していないと考えるのが妥当である。 では、精通していない少年が「おっぱい」に見とれることは、不健全といえるのだろうか。

これは、兄弟ではない男女(各一人)が同じ部屋で遊ぶのを許されるのは何歳までか、という問題に通じるのかもしれない。 ある年齢からは、やんわりと男女が同じ部屋で遊ばなくなるし、大人もそれを良しとしなくなる。 小学四年生はどうだろうか。僕はまだ男女が同じ部屋で遊ぶのは許されると思っている。

「おっぱい」をなんとなくえっちなことであるという知識を持っているウチダ君も、知っていても恥ずかしさを知らないアオヤマ君も、まだ性の扉を開いていない。 そんな彼らが繰り広げる物語において、女性が性的に消費されているなどという感想は、少年の発達を良く理解していない無知な感想だと言わざるをえない。

ショタ

男の子の裸があり、水着があり、びしょ濡れになり、恋に落ちて、一生懸命走る。 ちょっと背伸びしている少年と、鼻水を垂らしている感じが似合う男の子と、あと少しで下の毛が生え始めているがきんちょがいる。 ショタが好きなショタコンはまず曇りなき心で彼らの冒険を見て欲しいと思う。

個人的には自販機に縛り付けられて身動きがとれなくなったシーンが好きだ。 水泳のパンツを脱がされるシーンよりも、着衣のままロープで縛られるシーンが好きだ。 劇中では描写されなかったが、あのシーンに至るまでに、アオヤマ君は自販機の前で棒立ちになったまま、スズキ君帝国の手下二人によって念入りにロープで縛られたはずなのである。 そのシーンを想像するだけで・・・うん、もういいだろう。

友達と電車に乗るときはカバンを自分の横に何気なく置いているのに、お姉さんと電車に乗るときはカバンを膝に抱えているアオヤマ少年は素敵だった。 鼻血ブーである。

得たものと失ったもの

科学者を目指すことになる少年少女は、これは僕の勝手な推測ではあるが、どこかで世界の謎に取り憑かれるのだと思う。 科学者とは、人類がまだ見ぬ世界の謎というピースを自分で提唱し、先人たちが組み上げてきたジグソーパズルの一番端に慎重に当てはめていく作業だからである。

アオヤマ君は、お姉さんという片思いの相手を失ってしまったが、その冒険の中で自分が作りたいピースを見つけたのだ。走れアオヤマ。走れ少年。

総評

予想以上だった。

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