びしょの日記 (vipshota’s diary)

これはショタコン的視点からの雑多な日記帳です。まじめな記事が5割、ふまじめな記事が5割でできています。将来黒歴史になる予定です。

長編(1-3)

管理局に戻った僕は、サーバーと情報の同期を行い、この件を検討キューに入れた。 検討キューに入れられた問題は、各管理官に情報が優先的に共有されそれぞれの判断を優先的に得ることができる。 僕達はそれぞれ個性を持っているため、同じ問題や観察結果に対して必ず同じ答えが返ってくるとは限らない。 とはいえ、個人の責任回避をすることがこのシステムの基本だ。 僕達もまだ少年であり、各々の責任を重くしすぎない配慮であるとの説明を受けている。

検討事項は、これ以上の干渉をするかどうかである。 得られた確定情報だけでは、強制介入は難しく、さらに踏み込んだ干渉(調査)を必要とする。 だが、可能性の低い案件に対し干渉を続けるだけの無限のコストは僕達にはない。 どこかで線引きをし、妥当なラインを引くしかない。

少女はあと2週間で18歳を迎える。今干渉をやめ18歳になり案件を手放すか、さらなる干渉の結果新しい有効な事実が判明するか、僕はこの件については手放してもよいと考えていた。そちらに1票を入れ、今日の任務を終えることとした。

翌朝起きると、事態はは急変していた。 ここ数年安定していた少女からのシグナルが急変したのだ。

時間は父親が普段帰宅する時間から1時間後。駆けつけた管理官が公道に漏れる音声を調査したところによると、母親と父親の声が聞こえてきたそうだ。 家の構造上中の音声を拾うのが難しいとの過去の調査と合わせると、予想されるよりも大きな声(おそらく怒鳴り声)が発せられたことを示している。ただし、会話の内容まで聞き取ることはできず、到着してから30分後には声は聞こえなくなったとのことだ。しかし、この大きな声が聞こえなくなった以降も、少女のシグナルは閾値に届かないギリギリを推移していた。

問題は、ここで強制介入を行うかどうか、である。閾値ギリギリの案件については僕達の判断で介入を許されている。介入の結果必要な措置であると示せれば良いが、措置が必要なかったとなれば減点となり翌年の予算に響く。だからといって、介入に躊躇すれば救える可能性のある子供を見捨てることになり、制度への信頼を失いかねない。昨日よりも問題は複雑化してしまったのだ。