君たちは自分の子供と公立小学校に何を期待しているのか
世の中いろんな不平・不満が溢れている。
その一つのジャンルに、小学校の算数教育における理不尽な減点問題というのがある。
かけ算の順序問題を知っているだろうか。
詳細はWikipediaにまとめられているので参考にして欲しいが、要は小学校の時になぜか書かされたかけ算の式の書き方の問題である。僕は、この問題を解くために必要な要素は3つあると考えている。
- 文章から一つ分の数とそれが何人分であるかを読み取ることができる
- 式は
一つ分の数 × 何人分か
と書くことを理解している - 計算ができる
日本の小学校の教育では、3つともに理解でき表現できることをもって満点が与えられる制度になっている。その是非はともかくとして、そういう制度になっているから、それぞれの段階でつまずく可能性がある。1で躓いた場合はどうしようもないが、2と3は独立につまずく可能性がある。
研究職をやっている僕ですら、数のかけ算において式の順番が逆でも困ることはない。それこそ教科書や参考書などの人に見てもらうための文章を作らない限り、気にする必要はない。だから、子供たちに無用なことを考えさせているという批判はもっともだと思っている。現行の制度自体を改めるという意見にも賛同できるところがある。
ただ、この問題の根幹はそこにはない。
これは僕の勝手な妄想だが、騒ぎ始めた親はそれなりに賢くて、過去「できる小学生」だったため1~3でつまずくことがなく減点されることもほとんどなかったのだが、その子供が「2でつまずく小学生」だった場合に問題になる。自分の分身であるはずの子供が、自分は「できた」問題で躓き、かつ自分の学歴よりも低そうな小学校教諭に減点されるということに対する感情、つまりプライドの高さと僻んだ親バカ精神がこの騒ぎを生み出しているのではないだろうか。
何を言いたいのかというと、自分の子供と公立の小学校に期待しすぎ、ということである。