燃料は記憶 ~革命機ヴァルヴレイヴ~
というアニメを見た備忘録を書いておく。
主人公が登場する過程について
最後まで見たが故に、理解できなかった。
主人公が通う学校、都市は全て軍事用に設計されたものだった。主人公たちは遺伝子操作でうまいことヴァルヴレイヴ(以下VVV)に乗れるようになっていたし、都市に住む人達は軍属だったという。
VVVは主人公が通う学校の生徒達が登場すること"しか"想定していないシステムだ。他の登場者が乗ると動かせないどころか殺されてしまう凶悪システムであり、主人公たちは一切の訓練なく乗れてしまうのみならず、乗るために必要なのはニンゲンヤメマスカの問にYESを押すだけなのだ。
激昂した主人公たちが勢いに任せて乗ることを想定したシステムを誰が何のためにVVVをあの都市や学校を含めて作り上げたのか、それは最後まで謎のままであった。
ただし、民間人なのになぜかロボットを操作できてしまうとか、逆に軍人だからロボットに乗るのは当たり前だとか、そういうアニメの世界では一般的な搭乗シーンでなかった。特性があり理由があり必然もあったことは確かだが、原因だけは分からなかった。ちょっと残念である。
VVVの動作原理について
この記事のタイトルにあるようにVVVの燃料は人の記憶であるという。脳に、つまりは神経細胞のネットワークに刻まれた記憶を燃料に動くのだ。想像を膨らませれば、神経細胞のネットワークのエントロピーが燃料で、それを解(ほど)きまくるとすべての記憶がリセットされる。最終的に生命活動に必要な領域もリセットされて死に至るということなのだろうか。
ロボットアニメにおける主人公機の燃料は、ガンダム系だとなんとか粒子、その他だと人の寿命や体の機能を代償にというのはあるけれど、人の記憶に着目したVVVは新しい発想だった。
もう一つ分かりやすい機能は100を超えると動作を停止してしまう熱暴走抑止機能だろうか。現実社会でこんな短時間で放熱ができずに機能を停止してしまう装置を作ったら、熱設計の担当者はクビになると思うのだが、25分アニメの枠内でメリハリを付けた戦闘をするために、熱設計の担当者は脚本家に消されたということなんだろう。
666については最後まで投げっぱなしだったが、それは見なかったことにしようか。
総評
ネットで賛否があるというのは聞いていたし、つまりアンチが多いということなのであまり期待はしていなかったのだが、思いのほかよくできたアニメだった。ストーリー展開や伏線の張り方はめちゃくちゃだけれど、制作側が伝えたかったことは多分そこではない。新鮮さ、そしてカッコイイロボット、現代のツールと融合した世界、その他色々を伝えたかったのだだろう。1話ごとのストーリーはめちゃくちゃなので毎週1話ずつ見ていた人たちは少し可哀想になるが、一気に見るのには向いているアニメだと思う。未視聴の人はぜひ一度、既視聴の人は忘れた頃にもう一度、イッキ見をしてはどうだろうか。
では。